不知火文庫

私設図書室「不知火文庫」の管理人が運営しています。

2017-08-02から1日間の記事一覧

不文律

理由はいつまでたってもどこまでいってもわからない。数学の公理によく似ている。 理由と実在の両方を明確に定めて保てる世界は存在しない。理由の存在を保証すれば実在の存在は保証できず、実在の存在を保証すれば理由の存在は保証できない。この世界はそこ…

怪奇

ある日の夜、眠りにつきかけたころ、突然どこかからキリキリという不気味な音がし始めた。何かにみられているような、何かが迫ってくるような感覚に襲われる。私は布団に包まり、その端を握りしめて怯えながら夜を明かした。 気が付くと朝になっていた。私は…

阿呆

馬鹿が馬鹿であることを証明するために文章を書く人間は阿呆だ。

衝動、あるいは扉

直感は当たったその場で掴み取れ。血潮が褪せて、脈が消えるその前に。 生命の躍動、意識の核、水面下の閃光、取り出すためには正確さよりも勢いだ。全ては勢いから誕生する。今を切り拓くのは、調和した美しさではない。歪に尖った衝動だ。調和に惑わされず…