不知火文庫

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2017-09-13から1日間の記事一覧

原理主義

「原理主義のもとになった原典に人格があったり、原典を作成したものたちが生きていたりしたら、彼らは原理主義になって原理を遵守するのかな」 「どうだろうね。でも僕ならしないな。たぶん、原理というのはベストとまではいかなくても、周囲の環境や条件を…

美しい死

彼が死んだ。仮想の中で死に続けるうちに疲れてしまったのだろうか。 美しく死ぬにはまだ早い。まだ無粋なくらい必死で生きられるはずだ。私は彼にそう伝えたかった。しかし、彼にとってはそうではなかったのかもしれない。彼は、いつか来る生きられなくなる…

個性

その分野で一番または無二の存在になれるか、と尋ねられたら、あなたははいと答えられるだろうか。あなたの答えがどちらでも、あなたはおそらくそうはなれない。そういうものだ。でも、それでいい。ほとんどの人はそんなものだ。 個性というものについていう…

才能

「私、あの人が嫌いなの。だってあの人は……」 「そうなんですか」 また批評が始まった。私は適当に聞きながす。 「ちょっと自分に才能があるからっていい気になって。あんな人、絶対にうまくいかないわ」 「そうですか」 彼女は片方の口角を釣り上げて、嬉し…

クリスマスキャロルの頃には

時間が必要なあなた。待つことに疲れた私。 思い出すのはあなたの横顔。 あなたはいつも悲しそう。 あなたはいつも寂しそう。 愛する気持ちは変わらない。 それでも笑顔を思い出せない。 守りたい。その思いに嘘はない。 それでも私の心は揺らぐ。 幸せにな…